保健科学東日本で行われる迅速な検査

保健科学東日本は、本社が埼玉県鴻巣市にあり、営業所は埼玉、東京、千葉といった関東圏に多く、衛生検査所も関東に4カ所あります。臨床検査、化学物質の分析や測定といった業務を行っています。営業項目は医療や福祉といった分野に直結するものだけでなく、水質検査や土壌検査、産業廃棄物検査といった環境問題に関わる業務も実施しています。

保健科学東日本で現在受託している検査には、幅広い種類があります。例えば臨床検査である細菌検査もそのひとつです。感染症を引き起こす原因菌には様々なものがあります。そのため、治療を行うためにはその原因菌を特定することが重要となります。保健科学東日本では、尿や糞便、血液といった患者さんの検査材料を提出してもらい、細菌検査を行います。効果的な治療を行うためにも、検査は迅速に実施し結果を出す必要があります。保健科学東日本の検査は、24時間365日行えるように体制を整えています。

細菌検査のひとつに培養同定検査があります。細菌は二つに分裂することで増えていきますので、培地で菌を増殖させて目に見える形になるまで育て細菌を特定する検査です。増殖のスピードは菌によって異なるため、早ければ1日で分かりますが、成長が遅い菌になると数週間かかるものもあります。そして薬剤感受性検査も細菌検査では重要です。薬剤感受性検査とは特定された菌にどういった薬が効果があるのかを明らかにするものです。正確性と迅速性を図るため、保健科学東日本ではこれらの検査には自動機器を導入しています。また、病原大腸菌Oー157は、選択培地を用いて細菌を増やすなど早期に検出ができるようになっています。その他に免疫学的方法を使った、抗原検査もあります。抗原検査は患者さんの尿や感染している場所の粘膜から採取した検体に菌があるかどうかを検査する方法です。菌が現在体内に存在する場合は、この検査によって検出されます。

保健科学東日本では、病理組織検査も行っています。患者の病変部位から採取した組織から病理組織標本を作ります。この標本は、生検材料として病気の診断や、手術材料として治療を行うために使われます。中には、手術中に切除されたものを使用することもあります。その標本を病理医や臨床検査技師といった専門家が、顕微鏡で観察して診断を進めます。こうして得られた結果をもとに、病理診断書を作成します。病理組織検査は患者さんの腫瘍の一部を観察し悪性かそうではないかを見極めたり、治療の方向性を決めたりするのに大切なものです。また手術をしなければならない場合は、どこまで切除するべきかといった判断材料にもなります。