施設内の環境検査を行っている保健科学東日本
シックハウス症候群という言葉は世間でも広く知られています。建物の内装剤に化学物質が使用されていると、その中で生活している人がその物質を吸い込んでしまって、さまざまな体調不良を引き起こす症状です。その他にもダイオキシンが発生している施設も見られます。ダイオキシンも長期的に摂取し続けると、後々重大な病気の原因となる可能性も考えられます。このように建物の中にいても、私たちの健康を脅かすような要因があることを理解しなくてはなりません。そこで保健科学東日本では、建物をメインとして各種環境検査を実施しています。
まずは空気環境測定です。先ほど紹介したシックハウス症候群ですが、壁紙に使われた接着剤やペンキの塗料が気化してそれを吸い込んでしまうことで発症することも少なくありません。このような気化した有害な成分は無色であることが多く、知らず知らずのうちに吸い込んでしまうこともしばしばです。そこで保健科学東日本では専用の機器を使って、このような有害な成分が空気に含まれていないかどうか検査しています。学校環境衛生の基準や建築物の衛生的環境の確保に関する法律などで環境基準が設けられています。これらの基準をクリアした建物かどうかのチェックが行えます。
事業者によっては、日々大量の産業廃棄物は発生しているところもあります。産業廃棄物が発生した場合には、適正な処理が事業者に求められています。加えて廃棄物の処理及び清掃に関する法律の中では、種類や処分の方法によって個々に有害物質の検査基準が設けられています。もしこの基準を超える廃棄物であれば、特別管理産業廃棄物の扱いになって、別の処理方法を用いなければなりません。保健科学東日本ではこの産業廃棄物に関する検査も実施しています。そのほかに保健科学東日本では分析結果報告書を作成し、産業廃棄物を埋め立てなどの処理ができるかどうかの判定を行います。
ニュースなどで、院内感染によって患者に犠牲者が出たという報道が時折流れています。病院内で細菌・ウイルスが繁殖すると、一度に複数の患者に感染する可能性があります。病気療養している患者の場合、抵抗力がダウンしていますので重症になってしまうケースも珍しくありません。場合によっては死に至ることもあります。そこで病院では空気洗浄対策には細心の注意を払っています。保健科学東日本では、この空気清浄度の検査も実施しています。浮遊粒子数、細菌数、室間差圧などの各種項目の検査を行って、安全性が保たれているかどうか数値化しています。