保健科学東日本の精子不動化抗体検査について
保健科学東日本で抗精子抗体検査の代替として2020年5月から受託しているのが精子不動化抗体検査です。
精子不動化抗体検査は、不妊症の原因を探るために行われる検査のひとつです。
子宮頚管の粘膜と精子の適合性があるか調べるフーナーテスト(性交後試験やヒューナーテストと呼ぶ場合もある)において、検査と排卵のタイミングがズレている、精液の所見が不良とみなされるなどの場合、結果は不良と判断されます。
フーナーテストで異常が見られないにもかかわらず、運動精子が見られない場合は抗精子抗体などの免疫性不妊である可能性が高いと考えられるのです。
その時に行うのが保健科学東日本でも受託している精子不動化抗体検査です。
抗精子抗体は、膣内に入ってきた精子を外的だとみなし、攻撃して排除しようとするものになります。
一般的には精子に対する抗体が自然に作られることはありませんが、生み出されてしまう場合もあります。
抗精子抗体ができてしまうと、頚管粘膜や子宮腔、卵管内、卵胞液内の出現し、精子を動かなくしてしまうのです。
そのため、自然な妊娠が難しくなってしまいます。
保健科学東日本の精子不動化抗体検査のように、血液を使って抗体の有無を確認します。
保健科学東日本が行う精子不動化抗体検査で抗精子抗体が陽性だとわかった場合、妊娠を諦めなければいけないと考える人も少なくありません。
フーナーテストの結果が良好な場合は、医師の指示に従って、排卵日付近に性交を行うタイミング法で妊娠できる可能性もないわけではないのです。
確かに自然妊娠を望むことは難しいですが、タイミング法でうまくいかなかった場合は人工授精や体外受精、顕微授精などを活用することで妊娠の可能性を高められます。
人工授精は、洗浄処理した精子を子宮内に届ける方法で卵子と精子が出会う確立を高めます。
子宮内にも抗精子抗体はあるので抗体価が低い場合に有用な方法です。
体外受精は、卵子を体の外に取り出し、精子と受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法です。
すでに受精卵になっているため、抗精子抗体の影響を受けにくい方法となっています。
そのため、抗体価が高い場合に適した方法だと言えます。
そして顕微授精は、男性側にも不妊の原因がある(乏精子症や無精子症)場合に用いられる方法でわずかな精子を卵子と受精させ、子宮に戻す方法です。
抗精子抗体の有無は、不妊治療の方針を決める重要な指標になります。
不妊治療でステップアップすると金銭的な負担も大きくなるため、早めに次の段階へ進むきっかけと掴むためにも、保健科学東日本の精子不動化抗体検査は重要な役割を担います。