保健科学東日本が行っている品質保証体制

通常の品質保証というのは、お客さんに提供する商品に不具合や欠陥がないかどうか、部品の欠品がないかどうかという点をISO9001にのっとって厳しく取り締まることをいいます。保健科学東日本が行っている品質保証体制というのは、医療機関などから受託された検体をより適正に正確に分析を行い、なお且つその結果を正確に伝えることです。万が一、検体結果と検体提供者が違えば大変なことになってしまいます。そういう意味での品質保証というのは、最新設備や最新システムを導入することで正確なデーターを分析するのと同様に怠ってはいけないことなのです。

そのために保健科学東日本では、検体の採取や受託から検査結果の報告までの工程を正確かつ精密に行う努力をしています。それには例えば各工程の標準作業内容を手順書としてまとめて、どの作業者も同じように行えるよう作業の標準化に努めています。また、人為的なミスや勘違い等が発生しやすい作業についても、作業日誌を作成することで担当者名や作業の内容などを全て記録するような取り組みを行っています。

さらに測定値の正確性や精密性という面では、保健科学東日本では内部精度管理システムを導入しています。体温や心拍数・血圧等が1日の中で変動してしまうという日内変動の問題に対しては、管理試料を用いることでより正確な検出が可能です。そしてヒューマンエラー等による検査過誤などの問題に対しても、前回値と今回値とを比較チェックすることで未然に防止しています。こうした内部の管理システムをより綿密にすれば、すぐさま異常を発見してアクションを取ることも可能です。保健科学東日本では、こうした内部精度管理システムと共に外部精度管理システムも導入しています。この外部精度管理システムというのは、多施設で同じ検体を測定することで各施設のデータを集計解析するというシステムです。そうすることで、客観的により精度の高い正確なデータ管理ができるようになります。

しかしながらこうした精度管理システムは、効率的に維持されていなければ意味がありません。そのために保健科学東日本では、2003年に新たに制定されたISO15189やアメリカ病理医会(CAP)認定、医療関連サービスマーク・プライバシーマークといった様々な認定資格も取得しています。ちなみにISO15189ですが、従来の品質を保証するISO9001と分析試験結果の品質を保証するISO17025の両方の性質を合わせ持つシステムです。これらの品質保証が行き届いてこそ信頼を得ることが可能となります。そうした信頼というのは、最新機器を導入することと同時にとても大切なことだといえるでしょう。