保健科学東日本は新たな感染症対策をサポートしていく

保健科学東日本が行う検査の中に、最新遺伝子検査があります。遺伝子検査とはDNAを分析し、その情報により病気やリスクを詳しく知ることができる検査です。遺伝子検査の目的の多くは、遺伝子型を知り、その後発症予測される病気等を未然に防ぐというものでした。しかし近年、遺伝子検査における解析技術の向上により、今世界中の人々を脅かしている感染症診断の助けにもなることがわかってきました。保健科学東日本でも遺伝子検査が持つ可能性を追求し続けており、高感度で迅速な検査が可能となっています。

保健科学東日本が行う最新の感染症検査として、結核性髄膜炎Nested PCR検査があります。この検査は、髄液検体から結核菌DNAを検出できる検査です。髄液検体からの検出はこれまで難しいと言われてきましたが、日本大学医学部態病理学系臨床検査医学分野の中山智祥教授から技術供与を受けたことをきっかけに研究と改良に励みました。そして、保健科学東日本独自の新規検査項目として平成20年10月中旬より受託が開始されています。今ではあらゆる病院から検査依頼を受けています。

細菌とは異なり、気温が低く乾燥している場所でも生息できるため、ノロウイルスは冬季に多く起こるとされています。この食中毒の原因にもなりうるノロウイルスの検出においては、ノロウイルスRNA検査が有効です。この検査を受けることで、食中毒予防や人から人への感染といった集団感染のリスクを下げることができます。人の腸管内で増殖するノロウイルスは、排せつ物や嘔吐物に多く含まれるため、知識を持って処理する必要があります。その他、抗生物質などの抗菌薬が効かない抗菌薬耐性菌が原因で、病院内で集団感染などを起こした場合には、確実な感染源の調査と特定が必要となります。保健科学東日本ではその菌株特定に有効なパルスフィールドゲル電気泳動法検査も行っています。また、社会問題化されている性感染症には、6種類もの感染症を一度に検査できるという韓国の遺伝子検査薬メーカーの検査キットを採用し、患者負担を軽減しています。

保健科学東日本ではこうした感染症遺伝子検査項目をいくつか取りそろえ、医療の発展と私たち人間の生命を守ることにフォーカスし、検査機関という形で重要な役割を果たしています。保健科学東日本では、今までの蓄積された専門知識と検査技術を駆使し、必要とされている新たな検査項目の開発に日々励んでいます。