保健科学東日本が血液検査で行っていること

検査において血液や尿を調べることは、病気の有無や内臓の状態などを詳しく調べるために重要です。保健科学東日本では最新の検査機器を導入し、病院に変わって血液検査や尿検査を行っています。保健科学東日本が行っている検査の種類は大まかに血漿、その他の血液成分、それ以外の尿を始めとした体液や排せつ物の3つに分かれています。

生化学検査では、血液の中の血漿に含まれる成分を調べて身体、特に内臓に異常がないかを確認します。保健科学東日本に送られてきた血液を遠心分離機にかけ、上澄部分の血漿の成分を調べます。健康であれば血漿の中の成分はバランスよく混ざり合っていますが、例えば肝機能など内臓に障害がある場合にはそのバランスが崩れ、特定の酵素値が上昇することがあります。また、体の中に腫瘍ができたり、特定の病気にかかったりすることによって発生する物質もあり、それが出ていないか確認するのも生化学検査の大切な役割です。

血液学検査は健康診断などで行われる検査の一つで、体に異常が現れたときには血液学検査でも数値の異常が見られます。保健科学東日本で調べているのは赤血球や白血球の数と種類などです。例えば、赤血球の中には酸素を運ぶためのヘモグロビンという成分が含まれています。その赤血球自体が足りなくなったり、ヘモグロビンが不足したりすると正常に体中に酸素を運ぶことができなくなり、貧血といった症状が出やすくなります。血液学検査的に言えば、一定量の中に含まれる赤血球の数やヘモグロビン濃度の数値の低下が貧血を診断するための目安となります。また、一定量の血液に含まれる赤血球の容積割合を表すヘマトクリット値が低下している場合も貧血が起こりやすくなります。逆に、数値が高い場合も多血症といって病気の一種の疑いがありますので注意が必要です。貧血は鉄欠乏性貧血だけでなく、他の病気によって起こることもありますので、血液学検査は隠れた病気を見つけることができる大切な検査です。

一般検査では尿の中に含まれる成分を測定します。患者にとっても負担なく採取できる尿は、腎臓を始めとした内臓機能を知るための手がかりになります。保健科学東日本では集団での健康診断でも迅速に対応できるように、よく検査される成分用の自動分析装置を3台備えています。また、血液や尿の検査以外にも寄生虫の検査や、関節液内における結晶を鑑別することによって痛風検査など、人体のあらゆる体液や排せつ物に対する検査体制を整えています。