保健科学東日本の麻疹IgG EIA検査とは
保健科学東日本では、最新遺伝子検査を取り扱っており、近年社会的脅威となっている感染症に関する遺伝子検査を項目に取り揃えています。
そんな保健科学東日本でも注目されているのが麻疹です。
麻疹とは、麻疹ウイルスによって発症する急性熱性発疹性ウイルス感染症です。
日本では2007年に、10代、20代の若年層を中心にウイルスが流行し、一時は社会的問題にまで発展しました。
潜伏期間は10~12日間となっており、微熱、咳、鼻炎、結膜炎、高熱の順に症状が現れます。
上記の症状が続いたのち、麻疹が現れ始めます。
空気感染、飛沫感染、接触感染と感染経路が多く、感染力が強いのが特徴です。
免疫を持っていない人が感染した場合、発症率は100%です。
ただし、一度発症して体内に付いた免疫は一生持続すると言われています。
潜伏期間から発症するまでの期間を「全駆期」と言い、その後麻疹が現れる期間を「発疹期」、熱が下がり回復へと向かう期間を「回復期」と呼んでいます。
この中で最も感染力が強まるのは全駆期です。
また、前駆期、口腔内にみられるコプリック斑は、麻疹の特徴的な症状です。
体内に侵入した麻疹ウイルスは、一過性の免疫機能抑制状態を生じることから、麻疹ウイルスそのものの症状だけではなく、他の細菌やウイルスによる合併症を引き起こす可能性もあります。
発症する確率が高い麻疹肺炎は、麻疹脳炎と共に二大死亡原因として知られている合併症です。
麻疹ウイルスによる合併症が疑われる場合には、血清診断をしなければいけません。
保健科学東日本は2018年5月24日より、麻疹IgG EIAの検査の受託を開始しました。
麻疹に対する免疫の有無を確かめる方法として、EIA法、PA法が用いられます。
保健科学東日本では、EIA法を採用しており、3~5日で検査結果が出ます。
igM抗体の検出、急性期と回復期のペア血清による抗体上昇によって確認します。
麻疹は空気感染してしまうため、マスクや手洗いなどで予防はできません。
予防するには、ワクチンの接種が最も重要です。
万が一、麻疹を発症している患者と接触があった場合、72時間以内にワクチンの接種を受けることで、発症を抑えられる可能性があります。
また、ワクチン接種1回目には93~95%以上の免疫が獲得でき、2回目には97~99%以上の免疫を獲得できると報告されています。
現在、麻疹は学校感染症に定められており、熱が下がった後3日経過するまでの間が出席停止期間です。
さらに、麻疹の疑いがある家族と同居している場合や流行地を訪れていた場合などにも、出席停止となります。
学校保健安全法における取り組みとして、教育機関では麻疹を蔓延させないよう必要に応じて出席停止を命じています。
保健科学東日本では感染者を一人でも減らすために、検査を通じてウイルスに対する免疫の有無を調べているのです。